Software Product Description ________________________________________________________________ 日本語VAX COBOL Version 4.4 ソフトウェア仕様書 SPD 25.B9.03 【 仕様書の包含する範囲 】 この文書は,日本語VAX COBOLのソフトウェア機能仕様を述べたもので す。 日本語VAX COBOLの概要 日本語VAX COBOL は,システム機能とVIA(VAX Information Architec- ture)を利用した,VMSオペレーティング・システムで稼動する事務処 理業務のための高級言語です。 日本語VAX COBOLは,1985年のANSI COBOL標準(X3.23-1985)に準拠し ています。 日本語VAX COBOLは,COBOL-81/RSTS/E,COBOL -81/RSXといくつかの構文を共有し,COBOL-81サブセット・フラッ ガを含んでいます。日本語VAX COBOLは,VIAと統合されています。ま た,様々なDEC拡張が加わり,ソース言語レベルでの画面処理ができま す。 日本語VAX COBOLは,米国の連邦標準COBOL(FIPS PUB 21-2)の上位レ ベルに準拠するためにNBS(国際標準局)によって検証されています。 日本語VAX COBOLには,VIAへアクセスするために,2つの機能が備わっ ています。 1. DML(データ操作言語)を用いるとユーザは,VAX DBMS(データベー ス管理システム)を使ってDBMSデータベースにアクセス出来ます。 この機能を使うには,VAX DBMSがインストールされている必要があ ります。 2. COPY FROM DICTIONARY文は,DECの拡張機能です。ユーザは,これを 用いてVAX CDD/Plus に格納された共通レコード定義にアクセスでき ます。この機能を使うには,VAX CDD/Plusがインストールされてい る必要があります。 日本語VAX COBOL,COBOL-81/RSTS/E,COBOL-81/RSXには,多くの共 通した機能があります。これらは,同じ構文や意味を使って両方 のコンパイラで実行されています。したがって,VMSシステムは, COBOL-81を使って最終的にコンパイルされるコード(プログラム)を開 発するのに使用できます。 COBOL-81サブセット・フラッガは,COBOL-81で最終的に使用するために 設計されたコードを検査するために使用されます。さらに, COBOL-81を 使って開発したコードは,日本語VAX COBOL に移行することができま す。 【 DEC拡張機能 】 1. 画面処理は,DISPLAY文とACCEPT文を使用して実行されます。プログ ラマは,DISPLAY文で,情報や,プロンプトを画面のどこにでも表示 する事が出来ます。 o ACCEPT文は,画面上の任意の場所で入力された情報を受け取り, 実行中の日本語VAX COBOLプログラムにその値を返します。 o DISPLAY文は,データを内部数字形式からASCII 表示形式に変換 します。 o ACCEPT WITH CONVERSION 文は,ASCII表示で入力された文字を適 切な内部数字形式に変換します。端末の種類は,実行中にオペ レーティング・システムの情報により認識されます。 2. RMS-STS とRMS-STV特殊レジスタは, デバッグを補助するため参照 されます。これらのレジスタは,VAX RMS(レコード管理サービス) からの状態値を持っているものです。 3. ファイルの共用機能,レコードのロック機能を用いることにより, 複数のユーザが1つのデータに同時にアクセスできます。 4. VAX RMSを使って,多くのファイル処理機能を利用できます。例え ば,降順キーと重複主キーに関する処理が拡張されています。 5. 条件的翻訳で,デバッグが簡単になります。 【 VMS 環境でプログラミングを簡単にする文 】 o VALUE IS EXTERNAL(実行時定数アクセス) o USAGE IS POINTER(アドレス・データ・タイプ) o VALUE IS REFERENCE(コンパイル時アドレス評価) o SET TO REFERENCE(リンク時アドレス評価) o SUCCESS/FAILURE(字類条件) 【 日本語機能 】 V4.3までの日本語VAX COBOLの日本語機能がプレコンパイラによって提 供されていたのに対し,V4.4ではコンパイラ本体に日本語機能が追加さ れています。 日本語VAX COBOLは,日本語機能を追加したため, 従来のデータに加え て日本語データも処理することができます。 1. ユーザは,以下のことが容易に行えます。 o 日本語データ項目や日本語定数の定義 o 日本語データ名の使用 o ACCEPT命令やREAD命令による日本語データの入力 o MOVE命令などによる処理 o 日本語データ・ファイルや日本語報告書ファイルの作成 2. 日本語VAX COBOL の日本語機能は次のとおりです。 a. 日本語データ項目の定義 b. 日本語定数の定義 c. 日本語利用者語の定義 d. 日本語COBOLソース・プログラム登録集 (但し,COPY文による) e. 日本語データ項目を使った関係条件,条件名条件 (EVALUATE, IF,PERFORM,SEARCH文で使用) f. 日本語データ項目の転記(MOVE文),初期化(INITIALIZE文) g. 日本語文字列操作(INSPECT,STRING,UNSTRING文) h. 日本語データ項目を使ったEVALUATE文 i. かな漢字変換ACCEPT/DISPLAY文 j. 日本語報告書作成 k. 日本語注釈 l. 日本語メッセージ * 日本語VAX COBOLプログラムは VT282(またはVT80),VT284, VT286,VT382端末から作成できます。 * 日本語 VAX COBOL は,JIS X 3002-1988 COBOLおよびMIA COBOLに準 拠しています。 【 他の拡張機能 】 o 31文字のユーザ名が使えます(日本語ユーザ名は,15文字まで) o ACCEPT AT END 文 o 文字定数に単一引用符 (') が使えます o ユーザ名では,ハイフン (-) とアンダースコア (_) は,同じ値で す o 文字定数引数受け渡し 日本語VAX COBOLコンパイラは,ソース・プログラムからオブジェク ト・モジュールを生成します。また,様々な情報が含まれたソース・リ ストを得ることもできます。このソース・リストに含まれている情報 は,ソース・コード・エラーの行と位置,機械語リスト,ファイル名マ ップ,データ名マップ,手続き名マップ,外部プログラム名マップ,サ ブスキーマ情報,相互参照表などの診断表示です。 相互参照表とマップは,アルファベット順もしくは,定義された順に出 力することができます。相互参照表によって書込みがされているデータ と読込みのみのデータを区別できます。 日本語VAX COBOLは,VAX LSE(Language Sensitive Editor)に対する エラーメッセージおよびVAX SCA(Source Code Analyzer)に対する相 互参照情報をサポートします。さらに,日本語VAX COBOLは,低レベルの プログラム設計時にVAX SCAとVAX LSEで使用される擬似コード,設計注 記の処理をサポートしています。 コンパイラで生成したオブジェクト・モジュールは,VAX BASICやVAX FORTRAN等の他の言語で生成されたオブジェクト・モジュールとリンク することができます。 日本語VAX COBOLは,VAX RTL(ランタイム・ライブラリ)とVAXシンボ リック・デバッガの両方でサポートされています。 日本語VAX COBOLには,COBOLコンパイラとREFORMATユーティリティが含 まれています。REFORMATユーティリティは,ソース・プログラムをDEC 端末形式からANSI標準COBOL形式に変換します。また,その逆も可能で す。 必要なハードウェア 「システム・サポート付加情報(SSA 25.B9.03-A)」に指定された VAX, MicroVAX, VAXstation, あるいは VAXserver 構成 必要なソフトウェア 1. ターミナル使用のシステムの場合 (日本語DECwindows インターフ ェイスなし) o 日本語VMSオペレーティング・システム 2. 日本語VWSワークステーション・ソフトウェアが動作している ワー クステーションの場合 o 日本語VMSオペレーティング・システム o 日本語VMSワークステーション・ソフトウェア 3. 日本語DECwindowsの搭載されたワークステーションの場合 o 日本語VMSオペレーティング・システム(および必要な日本語 DECwindowsの 構成要素) 日本語VAX COBOLは,ワークステーションでのコンパイル修飾子選択の ためDECwindows コンパイラ・インターフェイスをサポートします。こ のインターフェイスは,ファイル・ビューからアクセスできます。 本製品に必須のソフトウェア製品と,その適用バージョンについて,ま た VMS DECwindowsのコンポーネントについては,「システム・サポー ト付加情報(SSA 25.B9.03-A)」を参照してください。 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC標準契約条項中のライセンス規定に基づいて 提供されます。日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細 は,最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしていま す。ライセンス単位は,CPUの性能に応じて割り当てられます。 ライセンス管理機能についての詳細は,「VMS Operating System Soft- ware Product Description(SPD 25.01.xx)」またはVMS Operating Systemのドキュメント・セットの中の「License Management Utility Manual」を参照してください。 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細に ついては,最寄りの日本DEC各支店/営業所にお問い合わせください。 保 証 本ソフトウェアについては,日本DEC所定のソフトウェア保証基準に定 められた保証が提供されます。