Software Product Description ================================================================================ 日本語DEC GKS/VMS Version 4.1 ソフトウェア仕様書 SPD 25.M5.01 仕様書の包含する範囲 この文書は,日本語DEC GKS/VMS のソフトウェア機能仕様につい て述べたものです。日本語DEC GKS/VMS は,グラフィックス用サブ ルーチン・パッケージであり,ISO(IS 7942)とANSI (ANS X3.124-1985) で定められた GKS 標準の2 次元仕様をもとに開発されたもので す。GKS のレベルは 2c であり,出力は,Workstation Independent Segment Storage を含んだすべての出力機能(レベル 2)を,入 力は, 同期および非同期入力が可能なすべての入力機能(レベル c)をサポートしています。 1 日本語DEC GKS/VMS の概要 1.1 特徴 (1) 高度な移植性,装置独立性 国際規格に沿ったグラフィックス機能,FORTRAN およびC バインディン グの提供により,アプリケーション・プログラムの高度な移植性を実現し ます。また,アプリケーション・プログラムは,GKS が提供する入出力 機能を用いて,各種グラフィックス装置を統一的に扱うことができます。 そのため,極めて装置独立性の高いアプリケーション・プログラムを作成 することができます。 (2) 日本語入出力のサポート アプリケーション・プログラムが文字列(ストリング)入力を行う場合, かな漢字変換を用いて,簡単に日本語の入力を行うことができます。ま た,文字列,注釈文字列出力では,日本語の出力を行うことができます。 (3) 豊富なストローク・フォント 英数字を主体とした 24 種類のストローク・フォントに加えて,高精度 の漢字ストローク・フォントが提供されます。 (4) 各種言語から使用可能 VMS が提供する各種言語,FORTRAN,PL/I,PASCAL,C,COBOL,BASIC などから呼び出すことができます。 (5) グラフィック・ハンドラ 日本語DEC GKS/VMS は,種々のグラフィックス装置をサポートしていま す。これに加えて,独自のグラフィックス装置を使用したい場合,ユーザ は,そのグラフィックス装置のハンドラを作成することができます。デバ イス・ハンドラは,VAX FORTRAN,VAX C,VAX PASCAL で開発する ことができます。 1.2 機能概要 (1) 座標変換機能 ユーザは,ワールド座標系を装置に依存することなく自由に定義すること ができます。正規化座標変換,ワークステーション変換により,ある図形 の異なる部分を複数の装置に同時に表示することも可能です。 (2) GKSメタファイル 日本語DEC GKS/VMS は,グラフィックス情報を格納するGKS メタファイ ルをサポートします。GKS メタファイルを利用することにより,システ ムおよび各アプリケーション相互間で情報の受け渡し,保存が可能となり ます。 (3) CGM(Computer Graphics Metafile)出力 グラフィックス情報を,ANSI で定められたCGM の形式で格納すること ができます。 (4) エスケープ機能 GKSスタンダードで定義されていない装置固有の機能を使用することがで きます。たとえば,VT125 において,ハードコピーをとるエスケープ機 能があります。 (5) セグメント機能 日本語DEC GKS/VMS は,セグメントと呼ばれる出力基本要素群に関し て,その生成,削除および各種操作を行うことができます。 (6) 出力機能 アプリケーション・プログラムは,次に示す出力基本要素を使用すること ができます。 ・ 折れ線(polyline) 指定した各座標点を線分で結ぶことにより,折れ線を表示します。 ・ マーカ列(polymarker) 指定した各座標点にマーカを表示します。 ・ 文字列(text) 文字列を描きます。文字をさまざまなフォントと向きで表示するこ とができます。(漢字フォント選択時には,漢字コードを指定する ことができます)。 ・ フィルエリア(fill area) ホロー(hollow)または,単一色か,パターンあるいはハッチ(hatch) で塗りつぶされた閉多角形領域を表示します。 ・ セル配列(cell array) ピクセル列を指定された各色で塗りつぶします。 ・ GDP(Generalized Drawing Primitive) 円や円弧のように,上記の出力基本要素では使用されないグラフィッ クス装置の描画機能を利用することができます。 (7) 属性 各出力機能には,出力の見え方を制御する属性の集合があります。属性 は,束表(bundle)と呼ばれるグループで定義したり,個別(individual) に定義したりすることができます。以下に,属性の一例を示します。 ・ 線種(line type) 点線や破線といった,線の種類を指定します。 ・ 線幅(line width) 線幅を指定します。 ・ 線色(line color) 色の選択は,すでに定義されている色の中から選択するか,赤, 緑,青の輝度を指定することによって行います。 (8) 入力機能 次に示す6 種類の入力装置に関して,同期および非同期の入力がサポー トされています。 ・ 位置入力(locator) ワールド座標上の一点を得ます。 ・ 点列入力(stroke) ワールド座標上の連続した点を得ます。 ・ 実数値入力(valuator) 実数値を得ます。 ・ 選択値入力(choice) 選択された整数値を得ます(選択値の文字列に漢字コードを指定す ることができます)。 ・ 文字列入力(string) 文字列を得ます(かな漢字変換による日本語入力ができます)。 ・ ピック入力(pick) ピック・パス,ピック識別子と要素番号を返します。 (9) 制御機能 GKS の初期化および終了,グラフィックス装置のオープン,クローズ, 画面のクリアなどの制御機能が提供されています。 (10) 問い合わせ機能 モジュール化された,装置独立性の高いアプリケーション・プログラムの 作成を支援するために,ワークステーションの特性,GKS の状態などの 各種の情報を問い合わせる機能が提供されています。 1.3 ランタイム専用ライセンス GKS を使用したアプリケーションを動作させるために,日本語DEC GKS/VMS の実行時ルーチンのみが必要なユーザには,ランタイム専用ライセンスが提供 されます。ランタイム専用ライセンスでは,既存のアプリケーションを実行す ることはできますが,新たにアプリケーションを開発することはできません。 2 必要なハードウェア 「システム・サポート付加情報(SSA 25.M5.01-x)」を参照してください。 3 必要なソフトウェア ・ ターミナル使用のシステムの場合 (日本語DECwindows インターフェイスなし) - 日本語VMS オペレーティング・システム ・ 日本語VMS ワークステーション・ソフトウェアの搭載されたワークス テーションの場合 - 日本語VMS オペレーティング・システム - 日本語VMS ワークステーション・ソフトウェア ・ 日本語DECwindows の搭載されたワークステーションの場合 - 日本語VMS オペレーティング・システム(および必要な日本語DECwindows の構成要素) 本製品に必須の,あるいはオプションとして使用できるソフトウェア製品 と,その適用バージョンについては,「システム・サポート付加情報(SSA 25.M5.00-x)」を参照してください。 4 注文情報 最寄りの日本DEC の各支店/ 営業所にお問い合わせください。 5 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC 標準契約条項中のライセンス規定に基づいて提供さ れます。 日本DEC のライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DEC の各支店/ 営業所にお問い合わせください。 6 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはVMS ライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。ラ イセンス単位は,CPU の性能に応じて割り当てられます。 ライセンス管理機能についての詳細は,「VMS Operating System Software Product Description(SPD 25.01.xx)」またはVMS Operating System のドキュメント・セットの中の「License Management Utility Manual」 を参照してください。 7 ソフトウェア製品サービス 日本DEC では,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細について は,最寄りの日本DEC 各支店/ 営業所にお問い合わせください。 8 保証 本ソフトウェアについては,日本DEC 所定のソフトウェア保証基準に定められ た保証が提供されます。 1990 年8 月 AE-A338F-TE-JO